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社長コラム【間取り・設備編⑥】
2023年10月11日(水)
  • 社長コラム【原本】

太陽光の熱を最大限に活用する”窓”

シーズン5最後の章です。シーズン5では家事楽の間取りや換気についてお話してきました。

最後に【光】に着目した「快適空間づくり」についてお話していきます。

暑さが厳しかった今年の夏、私の家では朝夜を通してリビングの冷房をつけっぱなしで過ごしました。

電気代が高騰しているのでさぞや高額な請求が…と思いきや、さほど多くはありませんでした。

というのも、高気密・高断熱にこだわって建てましたので、外気温に左右されず、冷暖房にかかる負担を抑えつつも快適な温度が保たれたおかげです。

もちろんですが、”窓”は閉めたままの生活です。

高断熱高気密住宅に窓は必要?

窓を開けない生活が普通になってたことを考えると、窓の必要性にも疑問を感じてしまいます。

実際のところ、冷暖房にかかる負担を削減できる高気密高断熱な家が増える中、気密性を損なう”窓”の需要は失われつつあります。

”窓”を開けて換気をする習慣が減っていることやコストがかかるといった様々な要因も重なり、新築戸建て住宅の”窓”の数は減ってきているのです。

 

何よりも重要な”窓”の役割

とはいえ忘れてはならないのが、”窓”は室内に【光】を取り入れる重要な役割があること。

【光】は室内に明るさを取り込むだけでなく、冬の住まいにおいては太陽の熱を取り込み、室内を暖める働きがあります。

でも夏だと逆に室内温度が高くなりすぎてしまいますので、取り込み方を変えなければいけません。

そのことを踏まえ、住まいに【光】を取り入れる”窓”のちょっとした設計の工夫をご紹介しましょう。

 

光を取り入れる”窓”の設計

南側の窓ー夏と冬の太陽高度の違いー

南側の”窓”を設計する際、軒の長さと周りの環境(隣の家との距離など)との兼ね合いを考慮し、夏至・冬至の太陽高度でどのような光の差し込み方をするかを検証してみます。

夏は直射日光の取り込み量を減らし、冬はできるだけ多くの太陽の光を取り入れたいですよね。

夏至の太陽高度は78度、冬至の太陽高度は31度程度。

それぞれの入射角を図面に記すことで季節の変化による日の差し込み方を明確にし、窓の配置を決めていきます。

 

冬の暖房費節約に役立つ日射取得とは?

窓ガラスを通して室内に太陽の光を取り込むことを日射取得と言い、南側の”窓”は冬にどれだけ多く日射取得が出来るかが設計の肝です。

日射取得を最大化できた場合には、その暖かさは800wストーブ3つ分相当にもなります。(窓の熱貫流率などから計算)

日射取得だけで部屋が暖まり、暖房にかかる負担を低減できます◎

 

夏は必ず日射遮蔽対策を!

しかし、冬の日射取得のために大きな窓を設けてしまうと、その分夏はどうしても強い光で熱を取り込みやすくなってしまいます。

庇(ひさし)やアウターシェードを利用して日射遮蔽の対策を必ず行いましょう。

 

吹抜けを活用した”光”の取り入れ方

隣の家との距離があまり取れない土地では、1階部分に冬至の光をどうしても取り込めない場合がよくあります。

そういった時は、隣の家の影響を受けない2階の窓から光を取り込むために「吹抜け」を設ける設計をご提案します。

「吹抜け」をご希望されない場合にも、当時の入射角が入る位置まで2階部分の高さをあげてしまうことで光を取り入れるといった工夫も可能です。

 

【さらにひと工夫】吹抜けの手すり部分を格子にすることで光を遮らず、”光”を家全体へ届けます。

 

北側の”窓”ー昼光利用ー

北側の”窓”は、昼光利用を意識して窓を配置します。

昼光利用とは、太陽の光をうまく利用して室内を明るくする機能のことです。

北側は高い位置に窓を配置して常に安定した明るさが室内全体に入り込むように設計します。

 

東西の”窓”

東西の”窓”は極力小さくするようにしましょう。

特に強い熱を持つ西日は夏の冷房にかかる負担を増やしてしまうため、西日の侵入を防ぐ庇を設ける工夫ができます。

他にもすだれで日射をコントロールするなど、日射遮蔽のちょっとした工夫が冷房にかかる負担の軽減に繋がります。

 

太陽の光を取り入れるなら天窓はどうなのか?

太陽の光を取り入れるなら「天窓」が一番効率が良いのでは?と考えるかと思います。

確かに太陽の光は沢山取り込めますが、天窓は屋根の断熱性能を大きく下げてしまう上に防水が心配です。

雨漏れのリスクにも繋がり、太陽光発電のパネルの設置面積を狭めてしまうのであまりオススメできない設計とも言えます。

 

まとめー快適で省エネな住まいー

以上のように”窓”の配置では太陽の入射角を考え、夏も冬も東西南北どの方角からも【光】が有効的な働きをするような設計が必要です。

他にも太陽の【光】の熱を「蓄熱」することで、冬に起こる昼夜の温度格差を減らし、暖房にかかる負担を軽減する方法もあります。

温熱機能のあるレンガやコンクリートの壁を太陽の日が当たるところに作ってみたり、サンルームの下に砂利を敷くなど、ちょっとした工夫を加えるだけで昼間の熱が温存され、夜の間も暖かさを維持することができるのです。

これからの住まいでは高気密高断熱を基盤にし、ご紹介した自然エネルギーの【風】や【光】を有効活用する住まいの設計=パッシブ設計をより積極的に取り入れていきます。

夏涼しく・冬暖かい。「快適」で「省エネ」な住まいの設計が地球にも家計にも優しい家づくりに大きな力添えをしてくれるのです。

 

記事監修代表取締役社長
旦壮之助

広島のハウスメーカーとして 「人と地球に優しい 家づくり」 を通じて、 大切な家族と過ごす空間づ くりを提案。 2022年にはUa値 0.25を達成し、 高断熱・高気密や省エネルギーな住宅づくりにも 注力している。

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