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〜マイホームの経済学〜 太陽光発電編(1) 「大きいことはいいことだ〜」は、昔の話

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 作った電気を「売る」時代から「自分たちで使う」時代へ。
家庭用太陽光発電にもダウンサイジング的発想が求められるようになりました。地球環境にも家計にもやさしい太陽光発電にまつわる数字を見ながら、上手な導入法について考えてみましょう。

 
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 「大きいことは良いことだ〜♪」というチョコレートのCMソングが流行ったのは、前回の東京オリンピックが開かれた昭和39年のこと。アジアで初めての開催されるこの大会に日本中が沸き立ち、その後続く高度経済成長期の幕開けにふさわしい一大イベントとなりました。
 
 その後50年が経ち、2回目の東京オリンピックを5年後に控えた今、巷でよく耳にするのは「ダウンサイジング」と言うキーワード。今度は、大きなものを小さくしたり、コンパクトにすることがトレンドのようです。

 自動車業界では、8気筒や6気筒など気筒数を誇る大排気量エンジンから、4気筒や3気筒の小型エンジンへのシフトが急速に進んでいます。ただし、エンジンがコンパクト化されても、ターボチャージャーなど過給機を使うことで、従来型にひけをとらない動力性能がキープされています。ストレート・シックス(直列6気筒)がトレードマークだったBMWも、今や4気筒と3気筒が主力になるなど、欧州車に顕著な傾向です。

 これまでは、ひとつひとつの構成要素、パーツに高スペックを求めていたのに対して、何かと組み合わせながら、効率化やコンパクト化、そして省コスト化を図ろうという考え方に変わってきているのです。

 さて、住宅業界でもついこの間まで「大きければ大きいほどいい」とされていたものがありました。それは、太陽光発電。「できる限り発電量を増やし、売電によって収入を最大化しよう」と言うものです。

 でも、それもそろそろダウンサイジング的発想へのチェンジを余儀なくされているようです。
そこで今回は、太陽光発電の上手な導入について、お金の話も交えながら書いてみたいと思います。

 

■設置普及のために優遇されていた家庭用太陽光発電

 2012年、家庭用太陽光発電の普及を目的に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートしました。これは、太陽光や風力等の再生可能エネルギーによって発電された電気を法令で定められた価格・期間で電力会社等が買い取るものです。当初の買い取り価格は下表の通り。

 10kWh以上の設備を設置すると、20年間の間、1kWhあたり40円(+税)で買い取ってもらえるわけです。

2012年度の買い取り価格

 では、制度スタート当初はどのくらいの収入になるのか計算してみましょう。

 1kWシステムの太陽光パネルの年間発電量は、その当時、約1000kWh程度でしたので

10kWhシステムの年間発電量

発電する電力をすべて買い取ってもらうとすれば、

20年間の売電収入

結構高額な数字になります。

 では、経費的にはどうでしょう。太陽光発電の設置にかかる費用ですが、太陽光発電普及拡大センターから給付される2012年度の補助金は、1kw当たり55万円以下が交付条件でした。ですから、当時は1kw当たり約55万円が平均設置費用になっていました。

2012年度の太陽光パネルの設備費と補助金

 そして、自分たちで使用する電気代はというと、総務省から下記のような統計が出されています。

平均的な電気代推移

これらをトータルしてみると・・・

4人世帯の20年間分の売電収支(2012年度)

このように、自分たちで使う電気料金を差し引いても大きなプラスになります。
これなら「できる限り大容量の太陽光発電を設置して収入を大きくしよう」という考え方も出来たようです。

 ところが、この買い取り価格も年々下落傾向にあり、2015年度の買い取り価格は、10kWh以上で27円+税になってしまいました。

太陽光発電の買い取り価格推移

 設備費は1Kwhあたり35万円位まで下がりましたので、10kWhシステムの導入費は350万円。
技術革新で発電効率も上がり、現在は1kWhシステムで年間1100kWhの発電が可能になっているようです。
しかしながら、固定価格買取制度スタート時のような補助金はなくなってしまいましたので、

4人世帯の20年間分の売電収支(2015年度)

となってしまい、すべて売電しても、設備費を除くと自家使用電気料金が賄えず、収入面でのメリットは感じられなくなりました。

 発電力が減衰したり、メンテナンス費やローンで購入した場合の利息などを考えると、設備費も回収できなくなってしまう可能性も大いにあります。

 そこで、今後はダウンサイジング的発想が必要となるわけです。
 次回は、今後の上手な導入法について、詳しく数字を追いながら見ていきましょう。


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(最終更新日: 2015年9月3日)